いない、いないと信じているけど、怖い話を聞くと背筋が寒くなるハナさんです。
怖がるってことは、心の奥底で、その存在を信じているのかな?
その存在。
そう、お化けです。
幽霊です。
幽霊怖い・・・
こわいとは何か
唯脳論やバカの壁で有名な養老孟司氏が著書の中で書いていましたが、ヒトが恐怖を感じる理由の一つが、何があるのかわからない時だそうです。
暗闇は怖い。何があるかわからないから。
太古の昔から、ヒトは闇夜で肉食動物の襲撃を恐れていました。襲われるかもしれない恐怖。その記憶が遺伝子に刷り込まれているのでしょう。
家の中で何かいるような気配がして怖い。何がいるかわからないから。
ヒトは視覚が発達した生物です。他の感覚で存在を感じても視覚で確認できないと不安を覚えます。それが恐怖につながります。
原因がはっきり分かれば、暗闇でも、無人の部屋でヒトの気配がしても怖くないのです。
幽霊やお化けを見た
でも、幽霊やお化けを見たっていう人もいます。
ハナさんは否定しません。
存在している人には見えるのでしょう。
あなたが今見ているもの
あなたが今見ているのはパソコンやスマホやタブレットのディスプレイに写った光の点です。
その光の点が眼の網膜に映り、視神経から脳の視床下部に至ります。
視床下部で形を認識して、大脳に情報が伝達され言語と認識されます。その次に言語野で言葉と認識され理解していくのですね。
うろ覚えですが、脳の情報処理はこんな感じです。
ヒトは目で見たものを実存しているものと認識します。
夢を見る
夢を見るって言いますよね。
目の前にモノが存在するのでしょうか?
存在しませんよね。
脳は寝ている間に、記憶を整理したり、日中の活動の復習をして脳の働きを効率化していると考えられています。
このとき、視床下部に情報が伝達されて形を認識する。その記憶が残っていると「夢」になると考えられています。
目の前に存在していなくてもヒトは情報をモノと認識します。
幽霊を見る
ヒトは視覚が発達した生物ですが、物を見る以外に音、触れる、臭い、味を感じます。
視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚の五感ですね。
誰もいない場所に人の気配を感じる。
この時、ヒトは視覚以外に、体温、息遣い、臭いを感じているかもしれません。
よく似たものでも、人の存在を信じてしまうと、人の存在を認識します。ところが視覚では認識できない。この時不安を感じて恐怖が芽生える。そして、自分の記憶から情報が視床下部に伝達され、有りもしない存在を認識する。
この時「幽霊を見た」「お化けを見た」となるのです。
昔から言いますよね「幽霊の 正体見たり 枯れ尾花」って。
幽霊の存在を信じているヒトには、幽霊の存在がはっきりと認識されるのです。
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お化けや幽霊は危険の予防になる
井沢元彦氏によれば、日本の宗教観は怨霊信仰だと言われています。
古代の日本では疫病が流行るのは、恨みつらみで死んでいった者達の魂が怨霊となって祟っているからだと考えていました。
その怨霊を封じ込めるために神社仏閣が作られた。
キリスト教徒などの一神教の世界で日本人が怪談を話すと笑われてしまうそうですね。
テルマエ・ロマエで有名な漫画家のヤマザキマリさんが描いていました。
唯一絶対の神を信じるヒトには怨霊の感覚はわからないのでしょう。
一神教の人々は神を畏れますが、日本人は怨霊を心のどこかで信じていますから、幽霊やお化けを畏れるのです。
そして、幽霊やお化けには色々良い効果があるのですよ。
犯罪の予防になる
東海道四谷怪談とか、江戸時代にはたくさんの怪談物が上演されています。
このような怪談話を聞いた人達は「人を殺すと祟られる。化けて出てくる」「恨まれると化けて出てくる」と考えて、人を殺めたり、人様から恨まれるようなことをしてはならないと考えてたのではないでしょうか。
それが江戸の世の平和につながったのかもしれません。
それから、夜遅く出歩くとお化けにあうとか、幽霊にあって呪われるとかであれば、夜中に出歩くことが少なくなったことでしょう。
怪談は犯罪の予防になったのだと思います。
事故の防止にもなる
夏休みになると、山で山岳事故、海や川で水難事故が起きます。
古代の人々は山や川、海には神々が宿ると考えて畏れていました。
神が姿を変えたり、祟り神になって人々を懲らしめる。
あるいはバケモノが出てきて食い殺されれる。
川の中から手が伸びて、泳いでいる人の足を引きづり込んで水の中に沈めてしまう・・・
昔の人々は怖い話をして、事故が起こりそうな場所に人が近づかないようにしていたのです。
幽霊やお化けで水難事故や山岳事故が起きないようにしていたのですね。
まとめ
幽霊やおばけはいないと思うけど、怖い話は役立つから、大いに怖がって危険を回避しましょう。
追記
色白おばけ (id:lightgauge) さんは実存します
ねないこだれだ
せなけいこの絵本「ねないこだれだ」
大人には可愛くて面白いお話ですけど、子どもたちは小さな頃、怖がっていましたね。
でも、なかなか眠らない子どもたちに読み聞かせるには、とっても良い絵本だと思います。