見ました。
NHKの「ためしてガッテン」を。
ハナさんの大っ嫌いな蚊について放送していました。
その中で、蚊に刺されやすい人、刺されにくい人について紹介されていたんですが、その違いが足の皮膚の常在菌にあるというのです。
虫好きの京都教育大学附属高校2年生の田上大喜(たがみ だいき)さんが、独自の研究で突き止めたのです。
いったい何に惹かれて蚊が集まるのかを様々な実験で調べたところ、靴下に蚊が反応し、盛んに血を吸おうとする行動を起こすということを発見
多くの人の足の「常在菌(じょうざいきん※)」を培養してみました。すると蚊に刺されやすい人とそうでない人とでは常在菌の種類が大きく異なっていることをつきとめました。蚊に刺されやすい人は足の『常在菌の種類が非常に多い(多様性が高い)』ことが分かった
ということで、皮膚常在菌はいろいろありますが、菌の種類が多い人のほうが、蚊をひきつけやすい、つまり刺されやすいというのです。
皮膚常在菌とは
皮膚常在菌とは、ヒトの皮膚に付いている菌で、
独自の細菌叢を形成しバリア機能を担っています。最近ではこれらの細菌叢が様々な生理機能や疾患に関与していることが分かってきました。
皮膚は外界に接しているため、その表層にはブドウ球菌属やミクロコッカス属などの好気性菌が棲息する一方、毛包や脂腺にはアクネ桿菌などの嫌気性菌が棲息しています。その他に、マラセチア菌、カンジダ菌、白癬菌もみられます。一般的に皮膚感染症は一過性菌がおこしますが、宿主側の条件により常在菌も感染症を発症させることがあります。皮膚常在菌は、200種以上の菌属が100万個棲息していると言われてます。
皮膚表層に常在するブドウ球菌属細菌には、黄色ブドウ球菌と表皮ブドウ球菌があります。黄色ブドウ球菌は代表的な食中毒菌ですが、表皮ブドウ球菌は病原性が低く、皮脂や汗を餌として弱酸性の脂肪酸を産生します。
ということです。
菌というと悪いイメージがありますが、常在菌はヒトにとって無くてはならないものなんですね。
そして、なくてはならない常在菌の種類によって蚊に刺されやすくなるかならないかが決まるのです。
蚊に刺されやすくなる菌とはどんな菌なのでしょうか?
蚊に刺されやすくなる物質を生産する菌は、まだ特定されていないのですが、番組内では、「多様性があると」と言う表現を使っていました。
蚊にさされやすい人の皮膚常在菌は、表皮ブドウ球菌など主な常在菌以外に、その他の菌が1279種あり、蚊に刺されにくい人のその他の菌は428種だったそうです。
菌の種類が多いと蚊に刺されやすくなるのです。
「その他の菌」の中のひとつが蚊に刺されやすくなる原因の物質を作り出しているか、複数の菌の相乗効果で蚊に刺されやすくなるのかは未だにわかりません。
もしも、「蚊に刺されやすくなる細菌と生産物」を分離して特定することができれば、人類にとって大きな利益となります。
ヒトをたくさん殺している生物である蚊に対する有効な防御方法が見つかるのですからね。
ノーベル賞も夢じゃないですよ。
ハナさんも足の常在菌を調べてみようかな。
どうして菌の種類が変わるのでしょうか。
ところで、番組の田上兄妹は、兄弟なのにどうして兄と妹で、足の常在菌の種類が違うのでしょうか?
常在菌は、ヒトにより違うのが普通のようです。
常在菌の種類は多種多様で、地域環境や生活習慣、および身体の部位により違いが見られる。
兄妹なので、環境や身体特徴は似ていそうですが、何かが違うのですね。
皮膚が剥がれ落ちて出来るアカの性質や、汗や皮脂の質や量、汗腺の奥に入り込んだ細菌の種類とかで皮膚常在菌は人それぞれ変わってくるのでしょうね。
蚊に刺されにくい体にすることは可能?
皮膚常在菌の違いによって蚊に刺されにくいかどうかが決まることが分かりました。
では、常在菌をコントロールすることによって蚊に刺されにくい体を作ることは可能でしょうか?
皮膚常在菌の移植
たとえば、蚊に刺されやすいヒトに、蚊に刺されにくいヒトの常在菌を移植すると、蚊にさされにくい体にならないでしょうか?
健康な人の腸内細菌を病気のヒトの腸内に注入する「糞便移植療法」というものがあります。腸内フローラを移植する治療です。
健康な人の腸内細菌を注入する「糞便移植療法」|千葉大学医学部附属病院
糞便移植療法のように、皮膚常在菌も移植できないものでしょうか?
エステや、砂風呂みたいな感じで表面から簡単に皮膚常在菌を移すことができれば、簡単に蚊に刺されづらい体ができそうですね。
蚊に刺されづらい常在菌を増やす
皮膚常在菌の移植までしなくても、蚊に刺されにくい人の皮膚常在菌である
- 表皮ブドウ球菌
- コリネバクテリウム属
- スタフィロコッカス属
等が増加しやすくなるような栄養を、肌の表面から与えて、特定の菌だけ増やすことは出来るのでしょうか?
蚊に刺されづらい菌だけを増やせば、蚊に刺されづらくなるからだが出来ると思うのですが、どうなんでしょうか。
エステティックサロンのメニューで「蚊に刺されにくくするコース」とかができたりして。
まとめ
皮膚常在菌の違いによって蚊に刺されにくいかどうかが決まります。
足を洗ったり、簡単な消毒でも蚊に刺されづらくなることがわかりました。
もしも、皮膚常在菌の種類をコントロールできるようになれば、蚊に刺されづらい体を作り出すことができるようになるかもしれませんね。
研究の進展が待たれます。