出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律案が審議入りしました。
ざっくりいうと、在留資格が増えて、その一部は家族帯同も可能という法律案です。
外国人の定住が促進される恐れがあるのです。
ハナさんは反対です。
その理由は、入管法の改正の歴史にあります。
1990年の法改正で何が起きたのか
今から28年前の1990年、出入国管理及び難民認定法が改正されました。
ざっくり言うと、「定住者」の在留資格が創設されて日系人(3世まで)なら日本で定住して働くことが可能になったのです。
それにより、何が起きたか知ってますか?
保見団地問題
ハナさんの住む愛知県は製造業が盛んで、そのため多くの日系ブラジル人や日系ペルー人が愛知県に住んで工場労働者として働きました。その一つが愛知県豊田市の保見団地です。
日系外国人の多くは家賃の安い県営住宅に居住したのですが、言語や文化の違いから住民と軋轢を生み、更に犯罪も増加しました。
同団地に住む日本人と彼らとの間に、言語の違いや文化的な価値観の違い、犯罪の多発、更に日本の法律や生活に関する取り決めなどを守らないなど、様々なトラブルや問題が起きるようになる。その結果、両者の間には軋轢が生じることとなった。
1990年代に入ると、右翼関係者、並びに日本人住民とブラジル人との対立が次第に激化。1999年(平成11年)には、機動隊が出動するという暴動寸前の事態まで発生した
たびたび地元のニュースで取り上げられていましたから良く知っていました。
暴動騒ぎが収まって平穏が訪れた頃に、仕事の都合で団地内に入ったとき、日本人のおばちゃんが「保見団地じゃなくてゴミ団地だ!」って怒っていたのが印象的でしたね。
粗大ごみから生活ゴミまでアチラコチラに放置されていました…
ブラジルは世界的にみても治安が悪い地域ですからその感覚で生活されれば日本国内で問題が生じるのも無理がないかもしれません。
こちらにも詳しく書いてありますよ。
現在は多文化共生とかの施策を行政が行っていることと、日本の不景気とブラジルの好景気の影響と帰国事業で多くのブラジル人が本国へ帰国したため保見団地も平和になっているようですね。
小牧市日系ブラジル人少年殺害事件
ブラジリアンタウンというのは豊田市の保見団地だけでなく、愛知県内各地にありました。その一つが小牧市。
その小牧市で起きたのが、日本人の非行少年グループに日系ブラジル人少年が殺害されるという痛ましい事件です。
当時はカラーギャングや暴走族などの非行少年グループがあちこちで暴れていました。そしてブラジル人ギャングも。
当時の報道ではブラジル人ギャングの一員と間違われて事件が起きてしまったようです。
日系人帰国事業
リーマン・ショック後の不景気で労働者が余りました。その時何が起こったのか?
そうです。日系人帰国事業です。
失業日系人に帰国旅費30万円、厚労省、再入国はできず
この頃、テレビや新聞でよく報道されていましたね。
30万円の片道切符です。
同じ轍を踏むなかれ
バブル景気の日系人、そして現在の中国人研修生や、ベトナムを始めとした東南アジア人の研修生の問題など、外国人を巡る問題は今までも繰り返されてきました。
景気が良く人手不足になると外国人を招き、不況になると帰ってもらう。
それを、また繰り返してはなりません。
ヨーロッパやアメリカを見ていれば、移民を受け入れることがどういう結果を招くか、良く分かるはずです。
日本人労働者にしっかり給与を支払い、3k職場こそ高い給与を与え、過剰なサービスや過当競争をやめれば人手不足は解消するのではないのでしょうか?